旭川のスカッシュレッスンスクール「旭川スカッシュハウス」
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2018/01/31
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ウイグルにて 3
3
この東京の渋谷にも似た群衆の様子から軽く100万人はいるだろう。
見渡せば椰子の木が見えるような砂漠のオアシスを期待していたのだが、大都会というのはどこも同じようなものなのだなとややガッカリもした。
ビルが林立し、縦横無尽に道路が交差して、大量の車が大量の排気ガスを撒き散らしていた。都市的な格差も目立っていた。自然を完全に遮ることを実現しようとしている新市街と砂嵐に運ばれてくる砂をそのままあるがままに受け入れるかのようにテントを旗めかせる旧市街の市場との間には強烈な隔たりを感じた。
こんな辺境のオアシスにもまるで東京の新宿のような街並みと大量の市民生活を可能にしている中国の国家権力と経済的躍進には聞きしに勝る印象を抱かざるを得なかった。
とてもとても大きな都市だから街が賑やかなのはあたり前な感覚ではあったけど、やけに騒々しい。その様子は所々で少し度を越していて、デモにしては騒がしく、メーデーにしては乱暴だった。爆竹の音に混ざって銃声のような狂気の火薬音も耳にした。ブラブラしていて出会ったその群集がかざしている旗を見ることでようやく理解した。
ウイグル族が独立を主張しているのだ。
何が契機になったのかは知らないけど、ウイグルの人たちと海側で暮らす漢民族とでは顔も文化も違うことはオレの眼にも明らかなことだった。そんな地域の人たちと中国政府がうまくやっているとも思えなかった。
つい先日、チベットの独立運動を武力で鎮圧したというニュースを何となく日本のニュースで見ていた。
中国当局による情報規制が徹底されていて、中国政府とチベット亡命政府とで報道に違いがあるのが中国らしいなと思っていた。
事実を虚偽あるいは隠蔽で歪めるのは中国社会主義のお家芸である。
かつてブラッド・ピッド主演の『セブンイヤーズインチベット』も中国では上映が禁止になったこともある。
オレ個人としては実在の登山家がモチーフになっていることと自然描写がとても美しく撮影されていて、「目立つことが重要なのではない」というセリフやドビュッシーの月の光のオルゴールで終始する物語はとても秀逸な映画であると思っていた。
ただ、その内容がかなりアメリカ視線で独裁政権である毛沢東の描かれ方というのは確かに少なからぬ偏りはあったかもしれない。
でもそのことが一概に嘘ではなく事実である以上、中国政府としては隠蔽するのではなく事実は事実と認めて悔い改めるのとでは国家としての国際的な印象もずいぶん変わってくるのだけど、そんなことは絶対にしない。
そういう意味で中国という国家はまだまだ開かれてはいないのだ。
急激な経済成長を遂げる中国政府の抱えるリスクの一端を見た気がした。
ウイグル族による今日の騒動というのもそれと無関係ではないのだろうなと思いながらオレはウルムチの街を巡る。3/5
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