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  • 2016/11/28

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    フィデル・カストロのキューバ

    みなさん、こんにちは。

    11月26日にキューバのカストロ議長が亡くなりましたね。
    とても尊敬していました。
    カストロのことは作家の村上龍によって知ることとなり、
    ロバート・レッドフォード作の映画『モーターサイクルダイヤリーズ』で
    その同志であるチェ・ゲバラのことを知ることで革命とは何かの片鱗に触れた。
    また『夜になる前に』というホモセクシャル迫害のためアメリカに亡命するしかないキューバ社会の闇というか目に見える差別社会についてのノンフィクション映画を観たことがあった。
    ※『夜になる前に』の作者であるレイナルド・アレナスさんはエイズで亡くなっている。
    フィデル・カストロの業績と生き様については正否で語ることはできない。
    偉大な革命家であり誠実な政治家としての面と
    彼の思想により人権侵害、経済の崩壊、権力乱用を厭わない無慈悲な独裁者・・・
    良い面も悪い面も上げれば切りがない行動派の指導者が
    50年以上にもわたって君臨し続けた国があった。

    それがカストロのキューバだ( ̄▽ ̄) ※以下wikiより

    カストロのキューバはアメリカととても仲が悪かった。
    元々革命以前のキューバはアメリカに搾取され続けていた。
    アメリカ政府の傀儡政権を中心にアメリカ企業、アメリカマフィアが富を独占し、その利益がすべてアメリカ国内に流れる仕組みが形成されていた。
    そんな背景からキューバは政府そのものを変えなければならないと行動したのがカストロのキューバ革命であり、その後見事な政策でアメリカ資本の企業を撤退させ、国有化させることで国としての自立を促した。
    その後アメリカとの国交は断絶し、経済制裁をくらい、冷戦が実体化し、キューバ危機で世界の命運を握り、各地の紛争でゲリラとして暗躍するようになる。
    冷戦後はソ連の弱体化もあり90年代は厳しい時代を迎えるが
    それでもキューバの生き方をカストロは変えなかった。
    そのことを犠牲と批評している人もとても多い。
    差別された人間もいたし、国外にも行きにくく、家族からも非難された。

    それでもカストロのキューバは誇り高く自立していた。

    国としての自立とは何か?
    それは自分たちは自分たちの力で生きているんだという誇りだ。
    カストロはそのために教育に大変力を注いだ。
    ”アメリカに半植民地化されたのはキューバ国民がアメリカのプロパガンダを見抜けなかったから”という考えから国家予算を教育に多く割き、無料で義務教育を受けられるようになっていて国民のほとんどが大学を卒業している\(◎o◎)/!
    スポーツは野球を必修とし、絵画や音楽の文化もエキゾチックな魅力に溢れている。
    映画や文学も宗教もある。 ※もちろん規制は強いが( ̄▽ ̄)
    また医療も高水準でほぼ無料でどの街にも医者がいることでも有名。
    生活は配給制で給料が国から毎日支払われ、生活に必要な物は超低価格で販売されている。
    配給手帳を持って配給をもらい物を買う。
    その様子はまるで子どものお小遣い帳を管理して、
    大人が必要なだけお小遣いをあげるのに似ている。
    そうやって経済制裁下でも限られた資源の中での自学自習の国家であり続けた。
    元ロンドン市長のケン・リビングストン氏は「驚くべきことにほぼ半世紀にわたってアメリカから不当な経済制裁を受けていた国で国民に最高水準の医療制度と教育システムをもたらした」ことを称賛している。

    カストロはこうして革命後も地に足を付けた英雄として指導し続けた。

    歴史上、多くの英雄は強すぎる力と個性により大多数から干される運命を辿る。
    しかしカストロは630回以上のCIAからの暗殺を回避し、
    「革命か死か、勝利の日まで」をスローガンに天寿を全うした希有な人物だ。
    野球が大好きでアメリカ人からバタバタと三振を奪いまくる日本人メジャーリーガーのパイオニア野茂英雄をとても尊敬してくれたり、WBC(ワールドベースボールクラシック)で経済制裁中のキューバの参加に反対するアメリカに対して優勝時の賞金はアメリカでハリケーン災害に苦しむ人々に100%寄付することを条件にして決勝まで進んで見せる( ̄▽ ̄)

    そんなキューバチームに「勝てとは言わない。ベストを尽くせ」だなんてカッコよすぎる!!

    もしもそんな人物が自国の代表だったらどんなに誇らしいことでしょう( ̄▽ ̄)
    そんなキューバもゆっくりと国際関係を緩和していき、
    2015年にオバマ大統領とハイレベルな交渉の末、
    アメリカとの国交が回復されるというニュースが飛んできた。
    カストロ議長とともに歩んできたキューバが長く時間をかけて成長し、
    もう昔のようにアメリカに簒奪されることはないという判断の結果なのだと思う。
    キューバとアメリカの長い闘争の歴史に幕を閉ざした1年後の今日に、
    20世紀最後の革命家の最期がとても安らかだったことにとても興味がある。
    カストロ議長がこれまで暗殺されずに自身の闘争の行く末まで
    見届けることができたのにはきっと意味がある。

    私も何かを変えるため自分の信じた道を進んでいきたい。

    フィデル・カストロに追悼の意を込めて〆