旭川のスカッシュレッスンスクール「旭川スカッシュハウス」
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2018/03/27
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イスタンブールにて 中編7
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たぶんエジプトのピラミッドを直で眺めたところで同じことを思うのだろう。
デカイ、スゴイ、テレビといっしょ。それで終わりだ。
感慨があるとすれば、逃げて、疲れて、追い詰められて、星を見上げていたことがあった。
そのとき想い描いていた古代の光景はなぜかいつもピラミッドが横たわっている砂漠の夜空だった。
ナイルのほとりにはまだ緑が豊かに繁っていて、石造りの王宮から星の謎を想う。
そこが実際にはどんな場所なのか。自分のイメージしていたものとどんな風に違っているのか、ちょっとした弾みで自分の目で見てみたい気持ちに拍車がかかってここまで来ていることをオレは思い返していた。
つまり個人的すぎるのだ。
知識がないわけでもないが今はできるだけ忘れていたいのだ。
多くのことを忘れて、ただ目的を持たない旅に浸っていたのだ。
もともとそういう動機、その類の原動力で動き始めたはずなのに、ほんの数週間を経ただけでオレはいつの間にか、この旅に意味などというものを持ち出そうとは・・・旅も黄昏なので呆れついでにトコトン呆れてみようと思った。
オレはただ遠くへ行ってみたかっただけの独りの男であることに満たされなくなっているのを感じていた。
あまりに自分と関係なさ過ぎることに関わりすぎるのにも問題があるものなのだなと思う。意味のないものに囲まれることによって、逆に意味づけをし始めるというパラドックスにオレは自分がそこら辺にいるネコたちとさして変わらないでいることを望んでいるのかもしれないことを思っていた。7/10
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