旭川のスカッシュレッスンスクール「旭川スカッシュハウス」
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2018/02/07
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アルマトイにて 3
3
国境の駅ドルジバでは車両交換と共にカザフスタン側の国境検閲を行った。
そこでのカザフスタン人の言ってることがまるでわからない。
パスポートとビザ、それにキップを見せているのにそれでも何かが足りないようなことを言っているのだが、オレにはそれが何のことなのかがさっぱりわからない。
駅員もオレの言っていることがわからないようで困っているようでもあり、怒っているようでもあり、オレにとってはまるで金星人や未来人といっしょで、未知との遭遇、それだけで恐怖だった。
収拾がついたのかどうかもわからないままにひとまずゲートを通されたオレはやっぱり人間の他人が一番おっかないんだなと思った。そんな恐怖体験があったことを教訓にアルマトイに滞在する5日間は全力でロシア語を覚えることにしていた。
もちろん、アルマトイでもまったく英語が通じなかった。
なので、とりあえずタクシーのロシア人にはバザールで本を買いたい旨をジェスチャーで伝えることで向かったのだ。
人の川を掻き分けるようにしてバザールをなんとなく歩いているだけで古本屋のような本屋であっさり英露の辞書を見つけることはできた。
できたものの、この本からロシア語をどう勉強すればいいのかから考えなければならないことに偏頭痛を起こし、胃がキリキリとした。
辞書だけを眺めることは不可能だった。
何がわからないのかがわからなければ辞書などまったく役に立たないのは世界の常識だ。
なのに、どんなことを知りたいのかも思い浮かばない。
わからない、わからないと頭の中で連呼するたびに学習意欲が失われていくのが自己嫌悪を増幅させていた。
オレの今やるべきことはロシア語を習得する以外にやることなどないというのに、そのたったひとつの目的とも向き合うこともできない。
遣る瀬無かった。
一番オレのやる気を奪っていたのは発音だった。
アルファベットのようでアルファベットとはまるで違うロシア文字が2つ並ぶともうどんな音なのかわからなかった。
オレの頭を混乱させるための何かの暗号なのかとも思った。そうだ、たぶんそうなのだ。
言語の文化が隣国同士で違うのはきっと外部の人間に理解されないためなのかもしれない・・・などと頭を抱えている内にいつの間にかオレは眠っていた。3/5
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